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「数十年に一度」の特別警報は「数十年に一度」なのかどうか

久しぶりに(夏休み初めての)部活に行ってきました。
成長した後輩の姿を見れたり、友達と喋れたり、楽しかったです。

それでは、本編をどうぞ。

台風が接近していることに伴い、聞く回数が増えた「特別警報」。
注意報、警報、特別警報の順にヤバさ(危険度)が増していくイメージがあります。
それぞれの説明を気象庁のサイト(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index.html,https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/当ブログで一部改変)で見てみます。

注意報:災害が起こるおそれのあるときに注意を呼びかけて行う予報

警報:重大な災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予報

特別警報:警報の発表基準をはるかに超える重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に最大級の警戒を呼びかけて行う予報

また、特別警報は、暴風雪特別警報・大雨特別警報・暴風特別警報・大雪特別警報・波浪特別警報・高潮特別警報の6種類の災害に対してのみ発表されます。

そして、「特別警報は数十年に一度の重大な危険が差し迫った状況で発表される」と説明されていました。

それでは、特別警報がこれまでに何回、発表されているのでしょうか。

6種類の合計は1895回です。(http://agora.ex.nii.ac.jp/cps/weather/warning/より引用)(2024/8/26執筆時点)
数十年が具体的に何年かわからないので、10年、20年...90年の平均で45年としておきましょう。
すると、
1895回×45年/回=85275年
より、
気象庁には8万5275年の歴史があることがわかりました。
日本って歴史が長い国ですね。

明らかにおかしな結果になりました。
何か間違っているのでしょうか。それとも、異常気象などで、この定義が当てはまらなくなっているのでしょうか。または、本当に8万5275年の歴史が......

実は、「数十年に一度」の前に「お住まいの地域において」という言葉がついています。
特別警報が発表される最小区分の地域数を調べてみると、56区(各都道府県1区+北海道・沖縄県は細分)でした。

ということで、改めて計算すると、
1895回×45年/回÷56=1522.7...
だったので、
気象庁には約1523年の歴史があるようですね。
気象庁を作ったのは卑弥呼だったのかもしれません。(笑)
数十年を最短でとらえて10年としても300年以上になってしまいます。

実際に、気象庁ができた(気象庁と呼ばれるようになった)のは1956年のことですし、特別警報の制度が設けられたのは2013年のことです。

気象庁が間違っているわけではなく、地球温暖化などの影響で異常気象が増えているからだと思います。
また、このような情報を集め、安全な生活を守るために活動している、気象庁は凄いと思いました。

クイズ

最も発表された回数が多いのは何注意報でしょう。

解答を表示

雷注意報
なんと200万回以上も発表されています。