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理系の本紹介『世界のヘンな研究 世界のトンデモ学問19選』

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タイトル:世界のヘンな研究 世界のトンデモ学問19選
著者:五十嵐 杏南
出版社:中央公論新社
発行日:2023/1/10
大きさ:2.5 x 13.1 x 19.1 cm(256p)
読むのにかかる時間:1時間
内容の難解さ:わかりやすい
日本語の難解さ:わかりやすい

 

内容

この本には、少し変わった研究が19個紹介されていました。
全部で以下の4つのパートに分かれています。
Part1 世界のどこでも、娯楽に研究は、ほぼ必須
Part2 場所が変われば研究も変わる
Part3 地域それぞれ、寄り添う研究
Part4 日本にもある!ヘンな研究

感想

Part1で最も面白かった研究は、「サーフィン工学」です。
スポーツ×科学という研究は最近増えてきているような気がします。
そのようなテーマの多くは、体にセンサーをつけて、正しいフォームや、効率的な練習方法を探るものです。
この研究では、それらに加えて、サーフィンのウェットスーツについての研究もしているという。
その理由というのが、企業が嘘をついていたからです。
実際に実験をしてどこから体温が奪われているのかなどを考えているということが面白かったです。

Part2で最も面白かった研究は「砂漠農業」です。
サウジアラビアは、雨が少ないことに加え、土の質もあまり良くないそうです。
そのため、海水の利用や、作物の品種改良などが研究されているそうです。
砂漠地帯には10億人もの人が住んでいます。
そして、生鮮青果物は輸送に適しません。
そのため、植物にとって過酷な環境である砂漠であっても、育てようと研究しているそうです。
しかし、近年の気候変動でこのような方法すら困難になっているそうです。
そこで、太陽光発電や海水を用いた冷却などができるハウスの研究も始めています。

Part3で最も面白かったのは「大麻」についての研究です。
日本での大麻の使用は、一部の医療目的を除いて、禁止されています。
しかし、アメリカでは、娯楽目的の使用を許可している州が増えています。
すると、大麻を科学的に分析する需要が生まれています。
特に、検査できるプロがいないそうです。
そのため、大麻について教える大学がいくつかできました。
当然、学生は大麻だけを習うのではなく、数学や化学などの基礎的なことも習うため、脱落していく生徒も多いそうです。
植物の有効成分の抽出やその分析、体内での影響など、とっても楽しそうな研究だと思いました。

Part4で最も面白かったのは「忍者」についての研究です。
国内外で大ブームの忍者。
黒装束を着て、手裏剣を投げて、というような忍者へのイメージは正しいのか。
それを探る研究です。
忍術については、口伝えで教えられるため、書物が少ないそうです。
そのため、今まであまり研究されていなかったという側面がありますが、忍術書を読みながら研究をしています。
とっても面白そうですね。

僕の学校には、3年を通して同じテーマで研究をするという「自由研究」があります。
いわゆる小学校の頃にやっていた「自由研究」とはレベルが違います。
なぜなら、3年生(今)になると論文にまとめないといけないからです。
そんな僕の研究テーマと重ね合わせて、この本を読むと、研究の意義について深く考えさせられました。
 
一風変わった研究を知りたいという人は、ぜひ、読んでみてください。