理系の理系による理系のためのブログ

理系以外の人も大歓迎です。

「三毛猫×科学」 ③遺伝についてもう一歩


前回、顕性遺伝子と潜性遺伝子について学習しました。
対立形質の場合は顕性遺伝子のほうが発現するのでしたね。
すると、三毛猫になる遺伝子Mと三毛猫にならない遺伝子mがあるのかなと思ってしまいますが、そうではありません。
もう少し知識が必要なので、お伝えします。

1つ目が、伴性遺伝です。
名前の通り、性別に伴って遺伝することです。
例えば、血友病という病気で考えてみましょう。
血液凝固因子が不足することが原因なので、その遺伝子をaとして、正常な遺伝子をAとします。
ちなみに、Aのように大文字で書かれたものが通常は顕性を表します。
今回のAとaはX染色体に含まれています。
そのため、女性の場合は、
XᴬXᴬ(正常)
XᴬXᵃ(正常)
XᵃXᴬ(正常)
XᵃXᵃ(異常)
男声の場合は、
XᴬY(正常)
XᵃY(異常)
となります。

2つ目が、不完全顕性です。
変数形質発現とも言います。
名前の通り、通常は顕性遺伝子のみが発現するはずなのに、そうならない遺伝子のことです。
例えば、マルバアサガオの花の色を考えてみましょう。
赤色になる遺伝子をR、白色になる遺伝子をrとします。
RRなら赤色に、rrなら白色になることは想像できるでしょう。
Rrなら、どうなるでしょう。
顕性が発現するならば、赤色になるはずです。
しかし、ピンク色になります。
このように、対立遺伝子のどちらにもならずに中間型となるケースが存在します。

今回で三毛猫を考えるうえで必要な知識を全て教えました。
次回は実際の三毛猫をもとに考えてみるので、楽しみにしておいてください。