理系の理系による理系のためのブログ

理系以外の人も大歓迎です。

楽な代数の証明の書き方

今回は代数メインで証明の書き方について説明していこうと思います。
証明の基本となる「型」を理解して、楽に書けるようになりましょう!
幾何はこちらで解説しています。

例えば、

2つの奇数の和が偶数になることを証明せよ。

と書かれていたら、どのように書けばいいのでしょうか。

まず、使う文字を宣言します。
例えば、「n,mを整数とする。」のように書きます。
そして、問題文に出てくる数を文字で表します。
今回の場合だと、「2つの奇数は2n+1,2m+1と表せる。」のように書きます。
続いて、問題文の状況を式で表します。
「(2n+1)+(2m+1)」のように書き、計算します。
そして、「=2(n+m+1)」と書きます。
偶数(=2の倍数)は2×整数の形で表せる数のことをいいます。
3の倍数は3×整数で表せる数ですし、7の倍数は7×整数で表せる数です。
つまり、nの倍数はn×整数で表せる数ということです。
そして、奇数は2で割って1余る数のことなので、前述の通り2n+1と表します。
その後に「n+m+1は整数なので、2(n+m+1)は偶数」と書きます。
最後に、「よって、2つの奇数の和が偶数になる。」と添えれば証明完了です。

まとめると、

n,mを整数とする。
2つの奇数は2n+1,2m+1と表せる。
(2n+1)+(2m+1)
=2(n+m+1)
n+m+1は整数なので、2(n+m+1)は偶数。
よって、2つの奇数の和が偶数になる。

となります。

最後の文章を書くのがめんどくさければ、「よって、題意が示せた。」とでも書いておきましょう。

それでは、もう一つのタイプの証明をしてみよう。

連続する2つの奇数の平方の差が8の倍数になることを証明せよ。

前回の問題に比べて大きく変わった点があります。
それは、連続する数を扱っているということです。
2つの奇数という表現では両方を適当に選んできたらいいのですが、連続する2つの奇数となると片方の数が決まるともう片方の数も制限されます。
そこで、同じアルファベットを使います。
例えば、「nを整数にする。連続する2つの奇数は2n+1,2n+3と表せる。」とします。
そして、計算をします。「(2n+3)²-(2n+1)²=(4n²+12n+9)-(4n²+4n+1)=8n+8=8(n+1)」
続いて型に当てはめます。「n+1は整数なので、8(n+1)は8の倍数。」
かっこよく「よって題意は示せた。」と書いて終わりましょう。

全文をまとめておきます。

nを整数にする。
連続する2つの奇数は2n+1,2n+3と表せる。
(2n+3)²-(2n+1)²
=(4n²+12n+9)-(4n²+4n+1)
=8n+8
=8(n+1)
n+1は整数なので、8(n+1)は8の倍数。
よって題意は示せた。

ちなみに、問題文の状況を式で表すときの方法はたくさんあります。
今回だと、「2n+1,2n+3」ではなく「2n+1,2n-1」にすると計算が楽だったりします。

 

代数の証明の書き方の基本は、
①使う文字を宣言する
②問題文に出てくる数を文字で表す
③問題文の仮定(〜ならば 〜は のところ)を式にする
④式を問題文の結論(〜になること のところ)の形にする
⑤証明の終わりを言う

もっと難しい証明に立ち向かうこともあると思いますが、基本に立ち返って「型」に当てはめると楽に書けることもあります。

それでは復習問題で終わりましょう。

問1 以下の問題文で「必要な文字の個数」と「問題文に出てくる数の表し方の具体例」を答えてみよう。
①奇数と偶数の和が奇数になることを示せ。
②連続する3つの整数の積が6の倍数になることを説明せよ。
③連続する4つの整数の和が偶数になることを証明せよ。

解答を表示

①2つ 2n+1,2m
②1つ n,n+1,n+2
③1つ n-1,n,n+1,n+2

問2 先ほどの問1③を証明せよ。

解答を表示

nを整数とする。
連続する4つの整数はn-1,n,n+1,n+2と表せる。
(n-1)+n+(n+1)+(n+2)
=4n+2
=2(n+1)
n+1は整数なので、2(n+1)は偶数。
よって、題意は示せた。