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水と油は本当に混ざらないのか 〜ことわざを科学する〜

非科学的なことわざをなくそう、里得木です。

今日は、水と油ということわざが科学的にあっているかを検証してみようと思います。

そもそも、「水と油」ということわざの意味を知っていますか?
故事ことわざ辞典によれば、

水と油とは、互いに気が合わず反発し合って仲が悪いこと。異質でとけ合わないもののたとえ。(https://kotowaza-dictionary.jp/k0799/

という意味です。

ところで、水と油が分離している様子を見なことがありますか?
よく、ドレッシングをおいておいたときに油分と水分(酢)が分離する様子が観察できると思います。
これは一体なぜなのでしょうか。
水も油も分子からできています。
そして、分子には引っ張り合って集まろうとする性質があります。
この引っ張り合う力を分子間力と言います。
この分子間力が異なる液体同士はなかなか混ざりません。
そのため、分離してしまいます。

では、水と油を混ぜる方法はないのでしょうか?
それは、界面活性剤を使うことです。
界面活性剤とは、界面張力(さきほどの分子が引っ張り合って集まろうとする現象のこと)を低下させる物質のことです。
界面活性剤には、油になじみやすい親油基と水になじみやすい親水基の2つがあります。
下図のように、界面活性剤の親油基が油の分子に、親水基が水の分子にくっつくことで、水と油が混じることができます。


油汚れを水に溶かすときに使う洗剤は、界面活性剤のおかげです。

 

水と油のような関係の人を、界面活性剤のようにくっつける、そんな人間になりたいです。