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理系の本紹介『スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』

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タイトル:スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方
著者:山極寿一
出版社:ポプラ新書
発行日:2020年6月8日
大きさ:11.2 x 1.3 x 17.4 cm(194p)
読むのにかかる時間:30分
内容の難解さ:普通
日本語の難解さ:簡単
 

内容・感想

この本の著者は京都大学総長だったゴリラ研究者の山極寿一さんによって書かれました。
第1章では、スマホでのつながりでは信頼が得られないということが述べられていました。
スマホが登場しても脳の大きさが変わらないため、人間が150人とまでしか信頼関係を保てないのは変わらないという話が印象的でした。
人間の好き嫌いは数値ではないという話も共感できました。
第2章では、著者がゴリラとともに生活をするまでの全貌が書かれていました。
人間として動物を観察するのではなく、動物に成り代わるという手法がすごいなと思いました。
ゴリラの声についても丁寧に書かれていて、2m手前であいさつをするという話が特に驚きました。
また、初めに観察したニホンザルとゴリラの違いも書かれていました。
一番、興味深かったのは、完全な年功序列サルと違い、ゴリラは子供でも大人の喧嘩を止めることがあるということです。
第3章には、言葉が人間にもたらしたものを書いていました。
言葉によって距離をおいて会話ができるということが書かれていました。
また、言葉ができたため、時空や場所を超えたフィクションが生まれたことも書かれていました。
第4章には、人間らしさについて書かれていました。
家族を作れるのは人間だけと書かれていて、驚きました。
食事を一緒にするというのも珍しい行動だそうです。
第5章には生物としての自覚を取り戻せと書かれていました。
筆者は、情報化が進めば人類が考えることをやめてしまうことを危惧していました。
また、ゴリラはケガしている仲間を助けるという話も書かれていました。
第6章は未来の社会の生き方について書かれていました。
0と1の間のような正解を1つに絞らない答えが大切と書かれていました。

ゴリラと生活した筆者が人間のことを書いている本です。
気になったら、ぜひ、読んでみてください。