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お金を作るのにいくらかかるのかを調べてみた。

お金を作るのにかかる費用が気になったので調べてみました。

貨幣の製造原価(コスト)については、国民の貨幣に対する信任を維持するためや、貨幣の偽造を助長するおそれがあると考えられることから、公表していません。(造幣局 : 貨幣Q&A

公式の情報は得られませんでした。
ということで三井UFH住友銀行(https://magazine.tr.mufg.jp/90130)のサイトを参考にします。
日本の貨幣の製造原価は下図のように推定されています。(https://magazine.tr.mufg.jp/90130より引用)

硬貨 2018年度発行枚数 1枚当たりの製造原価
1円玉 44万枚 約3.1円
5円玉 1796万枚 約10.1円
10円玉 1億7896万枚 約12.9円
50円玉 5696万枚 約12.1円
100円玉 5億6796万枚 約14.6円
500円玉 2億8619万枚 約19.9円
合計 11億0847万枚 -

1円玉と5円玉と10円玉は製造原価のほうが額面より高いのですね。

昔は、金本位制という、額面の価値にあった金と交換してくれる制度がありました。
しかし、現在の硬貨の価値は信用で決まっています。
それでは、政府の信用がなくなったり、国家が転覆された時に困りますよね。(もっと困ることがあるか……)
金属資源として溶かしたらいくらの価値になるか気になります。
※実際にやると貨幣損傷等取締法によって罰せられますので、警察が機能しているときにはやらないようにしましょう。

貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。(貨幣損傷等取締法 | e-Gov法令検索

原料価格の推定値です。
https://magazine.tr.mufg.jp/90130より引用)

硬貨 成分 1枚当たりの原料価格
1円玉 アルミニウム100% 0.29円
5円玉 銅60~70%、亜鉛40~30% 2.28円
10円玉 銅95%、亜鉛3~4%、錫(スズ)1~2% 3.5円
50円玉 銅75%、ニッケル25% 3.75円
100円玉 銅75%、ニッケル25% 4.5円
500円玉 銅72%、亜鉛20%、ニッケル8% 5.19円

一応、溶かしても、儲からないようです。
そりゃそうですね。

最後に紙幣についても見てみましょう。
発行枚数は以下のようになっています。
 千円   9.1億枚
五千円   2.1億枚
一万円 18.3億枚
発行にかかる費用はどれも17円程度と推定されています。

ちなみに、貨幣(硬貨)と日本銀行券(紙幣)
貨幣は、「独立行政法人造幣局」が製造しています。
日本銀行券は、「独立行政法人国立印刷局」が製造して、「日本銀行」が発行しています。
経済に大きな影響を与える紙幣は日本銀行が発行を調整できるようにしているのですね。

お金のことを調べていると、国立印刷局ホームページにたどり着き、時間が溶けてしまいました。
新紙幣についての記事も書きたいと思っています。