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直観に反する確率

 

いきなりですがクイズです。

3面が赤、2面が青、1面が黄色のサイコロが2つあります。
最も出やすい組み合わせはなんでしょう?

 

赤と赤の組み合わせだと思った人、不正解です。
実は、赤と青の組み合わせが最も出やすいのです。
一体なぜでしょう?
まず、確率の定義からおさらいしましょう。

確率とは、あることがらがどれくらい起こりうるのかを表したもので、

{\frac{ある事象が起こる場合の数}{全体の場合の数}}

であらわすことができます。

そして、場合の数とは、あることがらが起こるすべての場合の総数のことです。
たとえば、普通のサイコロを1つ振った時に出る目は「1,2,3,4,5,6」の6つなので、全体の場合の数は6になり、偶数の目は「2,4,6」なので、偶数の目が出る場合の数は3通りでなるので、サイコロを振って偶数が出る確率は{\frac{3}{6}}={\frac{1}{2}}になります。

 

それでは、本題に戻って解説していきます。
全体の場合の数は、赤、青、黄の3種類が2つなので、3²で9になるなんてことはありません。
当然、見分けがつかない同色の面も、6面のサイコロである以上、区別して計算しないといけません。
正しい全体の場合の数は、6²で36です。
それでは、赤と赤が出る場合の数と赤と青が出る場合の数を求めていこうと思います。
その前に、2つのサイコロにAとBという名前を付けて、区別することにします。(さっきと同様に見分けることができないとしても別物だからです。)
赤と赤が出るということは、Aが赤でBも赤ということですが、赤と青が出るというのは、Aが赤でBが青という場合とAが青でBが赤という場合の両方があります。

図を使って可視化すると下のようになります。

赤色で塗られたところが赤赤のときで、紫色塗られたところが赤青(青赤)のときを表しています。

 

「3面が赤、2面が青、1面が黄色のサイコロを2つ振って、赤と赤が出たら俺がおごってあげるから、赤と青が出たらお前がおごってな。赤のほうが多いから僕がたくさんおごることになるから君は得やで。」と言われたときに、だまされないようになる、これが、確率を学ぶ意義なのではないでしょうか。

 

それではクイズで終わりましょう。
A君とB君とC君は、2枚の硬貨を投げて、誰が掃除をするか決めています。
2枚とも表が出たらA君が、2枚とも裏が出たらB君が、裏と表が出たらC君が掃除をすることになっています。
コイントスには不正は行われていないのに、C君は他の2人よりも掃除をしているような気がするといっています。
皆さんは、なぜかわかりましたか。