
今回は、(5以上の)奇数×奇数の魔方陣を作る簡単な方法について紹介しようと思います。
ちなみに、「魔法陣」とは丸や星型で中二病心がくすぐられるかっこいい図形のことで、今回紹介するのは「魔方陣」です。
魔方陣というのは、n×nの正方形に1からn²までの数を過不足なく使い、縦横斜めそれぞれの和が全て等しくなる数字の配列のことです。
それでは、「n×nの魔方陣を簡単に作る方法」の解説スタート。
(説明で用いられている例はn=5の場合です。)
まず、「総和」を求めます。
総和とは文字通り、全ての数の和で、1+2+・・・n²で求めます。
次に、「定和(ていわ)」を求めます。
定和とは、各列の数の和のことで、総和÷nで求めます。
それでは、正方形に数字を当てはめていきましょう。
まず、1つ目の正方形を用意します。
1列目に1~nまでの数を好きな順番で配置します。
図では、簡単にするため、1,2,3,4,5とします。

次に、2列目以降は前の列の数字を左に2つずらして、並べていきます。
例えば、「1,2,3,4,5」は「3,4,5,1,2」となります。

最後の列まで埋めた様子です。

次に、2つ目の正方形を用意します。
1番下の列に「0,n,2n,3n,...,n²」を好きな順番で並べます。

次に、2列目以降は前の列の数字を、先ほどとは反対の、「右」に2つずらして、並べていきます。

並べ終わったものがこちらです。

最後に、1つ目の正方形と2つ目の正方形の同じ位置の数字同士を足すと、魔方陣になります。

この仕組みを見ていきましょう。
魔方陣の条件を、
ア:縦横斜めそれぞれの全ての和が等しい
イ:1~n²の全て数字を過不足なく用いている
に分けて考えていきます。
まず、赤の正方形の縦横斜めの和は全て「A+B+C+D+E」なのでアの条件を満たしています。
そして、青の正方形の縦横斜めの和は全て「a+b+c+d+e」なのでアの条件を満たしています。
そのため、白色の正方形もアの条件を満たしているといえます。
下の図を見て、大文字と小文字の和(A+a,B+b,...)はそれぞれ1度ずつしか登場していないことがわかります。
また、大文字の数字は1,2,3,...,n(例1,2,3,4,5)で、小文字の数字は0,n,2n,...,n²(例0,5,10,15,20,25)なので、異なる文字の組み合わせ同士は、等しくなりません。(A+a≠B+b≠...の意)です。
そのためイの条件も満たしています。

そのため、この5×5の数字の並びは魔方陣です。
数学が得意な級友に協力してもらい、n=5,7,9の場合は確実に魔方陣となることを確認しました。
nがもっと大きいときにもできるかは、試して、確かめてください。
実際の数字を入れて計算するのは大変だという方は、上の図のようなアルファベットに置き換えたものを用いることをおすすめします。
今回、紹介した方法以外のずらし方も見つけてみてくださいね。