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理系の本紹介『文系でも思わずハマる 数学沼』

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タイトル:文系でも思わずハマる 数学沼
著者:鶴崎修功
出版社:マガジンハウス
発行日:2023/4/20
大きさ:1.8 x 13 x 18.8 cm (224p)
読むのにかかる時間:1時間
内容の難解さ:中学生にあったレベル
日本語の難解さ:わかりやすい
 

内容

この本は、QuizKnock(https://www.youtube.com/@QuizKnock)の鶴崎さんが書いたものです。
鶴崎さんは、東大の大学院の数学科を卒業し、博士号を持っている人です。
この本には、
①身近に隠れる「数学」の秘密
②便利で仕方がない「数学的思考」
③世界は「数学」でできている
④天才?変人?「数学者たち」の話
巻末 文系にも伝えたい「計算」の技術
が書かれています。

 

感想

数学が好きな里得木ですが、数学が世界の役に立っている具体例をあまり知らなかったので、驚きが多い本でした。
例えば、用紙にはA判B判というものがあります。
どちらとも縦と横が1:√2の白銀比です。
これの何がすごいのかというと、半分に切ってもその比率が崩れないのです。
ちなみに、A4はA0を半分に切って、半分に切って、半分に切って、半分に切って、作ります。 
サイクロイドを反転させた最速降下曲線を使うと、理論上は東京ー大阪間を8分で移動できるという話も面白かったです。
実際に東京ー大阪間をつなぐことは非現実的ですが、ジェットコースターのようななるべく速度を出したいものには利用されているそうです。
また、高速道路のクローバー型のジャンクションには、道路がクロソイド曲線になっているため、運転しやすいそうです。
他にも、予測式体温計が微分を使っているということについても書かれていました。
11人(鶴崎さんを含める)の数学者について書かれていました。
ノイマンがコンピュータを開発した際に「世界で2番目に高速に計算できるものが誕生した」といった話は面白かったです。
巻末付録として、計算を簡単にする方法について書かれていました。
205pの小見出しが「3の約数かどうかを簡単に調べる方法」となっていたのですが、3の約数は1,3なので、調べるという問題じゃないのではと思いました。
本文では、「3を約数に持つか」や「3で割り切れるか」といった記載があったので、倍数と書きたかったのではないかと推測しました。
数学が好きな人もそうでない人も、ぜひ、読んでみてください。